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2026-08-17
こんにちは!豊中市の歯医者、豊中少路ANT歯科・矯正歯科理事長の寺嶋悟です
今回は「子どものいびきと歯並びの意外な関係」についてお話しします。
夜、お子さまの寝顔を見ていると、「グーグー」といびきをかいていることはありませんか。「子どもはいびきをかくもの」「ぐっすり眠っている証拠」と思われるかもしれませんが、頻繁ないびきは、眠っている間に空気の通り道が狭くなっているサインである可能性があります。
さらに、呼吸の状態が長く乱れていると、睡眠だけでなく、お口の使い方や顎の成長、歯並びにも関係することがあります。
いびきは、睡眠中に鼻や喉の空気の通り道が狭くなり、周囲の組織が振動することで生じます。
子どもの場合、風邪による一時的な鼻づまりのほか、アレルギー性鼻炎、扁桃やアデノイドの肥大などが原因になることがあります。また、顎が小さい、舌が後ろへ下がりやすいといったお顔やお口の形態が関係する場合もあります。
風邪をひいた数日だけいびきをかくのであれば、鼻づまりの改善とともに治まることも多いでしょう。しかし、元気な日でもいびきをかく、毎晩のように続く、息苦しそうに眠っている場合は注意が必要です。
いびきが歯を直接動かすわけではありません。両者をつなぐ重要な要素の一つが「口呼吸」です。
鼻で呼吸しづらい状態が続くと、子どもは無意識に口を開け、口から空気を取り込もうとします。眠っているときだけでなく、日中も唇が開いた「ぽかん口」になることがあります。
本来、何もしていないときの舌は、上顎の内側に広く触れています。舌は食事や会話のためだけでなく、内側から上顎の成長を支える役割も持っています。ところが、口呼吸では空気の通り道を確保するために舌が低い位置へ下がりやすくなります。
すると、舌が上顎を内側から支える力と、頬が外側から押す力とのバランスが変わり、上の歯列が狭くなることがあります。永久歯が並ぶ場所が不足し、歯が重なって生える「叢生」につながる可能性もあります。
また、唇を閉じる力が働きにくくなることで前歯が前方へ傾いたり、舌を前へ出して飲み込む癖によって上下の前歯が噛み合わない「開咬」が生じたりする場合もあります。小学生を対象とした研究でも、口呼吸と上顎前突などの歯列・噛み合わせとの関連が報告されています。日本小児歯科学会誌掲載研究
ただし、「いびきをかくと必ず歯並びが悪くなる」という意味ではありません。歯並びには遺伝、歯と顎の大きさ、舌や唇の癖、姿勢、成長の方向など、複数の要素が関係します。いびきや口呼吸も、その中の一つとして確認することが大切です。
関係は一方向とは限りません。
上顎の幅が狭い、下顎が小さい、噛み合わせが深いなど、お口や顎の形態が空気の通り道の狭さと関係している場合があります。つまり、呼吸の問題がお口の成長に影響する可能性がある一方で、顎顔面の形態が睡眠中の呼吸に関与することもあるのです。
そのため、いびきのあるお子さまを歯科で診る際には、歯がきれいに並んでいるかだけでなく、上顎の幅、噛み合わせ、舌の位置、唇を閉じる力なども確認します。
睡眠中に呼吸が妨げられると、長時間布団に入っていても睡眠が細かく分断され、十分に休めていないことがあります。
朝なかなか起きられない、寝起きが悪い、日中ぼんやりする、集中しにくいといった様子が見られることがあります。子どもでは眠そうにするだけでなく、落ち着きがない、機嫌が悪いといった行動として現れる場合もあります。
大きないびきに加え、眠っている途中で呼吸が止まる、息を吸うときに胸やお腹が大きくへこむ、何度も寝返りを打つ、汗をたくさんかくなどの様子がある場合は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群も含めた評価が必要です。小児の睡眠時無呼吸が疑われる場合、歯科だけで診断せず、耳鼻咽喉科や小児科、睡眠を専門とする医療機関と連携することが重要です。米国小児歯科学会の方針
次のような様子がないか、起きているときと眠っているときの両方を観察してみてください。
・風邪をひいていない日にも、週に何度もいびきをかく
・眠っている途中で呼吸が止まるように見える
・口を開けて寝ている
・日中も唇が開いていることが多い
・朝起きると口が乾いている
・鼻づまりや鼻声が続いている
・食べるときにクチャクチャ音がする
・前歯が出ている、または上下の前歯が噛み合わない
・寝起きが悪く、日中の集中力や機嫌が気になる
受診時には、いびきの音や眠っている姿をスマートフォンで短時間撮影しておくと、普段の状態を医療者へ伝える手がかりになります。
子どもの顎や歯並びは、毎日の呼吸、舌、唇、頬の使い方から継続的な影響を受けています。一方で、成長期は状態の変化を早く見つけ、必要な対応を検討しやすい時期でもあります。
大切なのは、いびきを見つけてすぐ矯正治療を始めることではなく、「なぜいびきをかいているのか」を確認することです。鼻や喉の治療を優先すべきケースもあれば、経過観察、お口の機能訓練、矯正歯科的な対応を組み合わせるケースもあります。
お子さまのいびきや口呼吸、ぽかん口、歯並びが気になるときは、単なる寝癖や成長途中の問題と決めつけず、一度ご相談ください。歯だけを見るのではなく、呼吸や舌の位置、顎の成長まで含めて確認することが、お子さまの健やかな成長を支える第一歩になります。
少路駅すぐの歯科医院、豊中少路ANT歯科・矯正歯科は、豊中少路にある地域密着型の歯科医院です。