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2026-08-14

著者:院長名(リンクなし)

【院長ブログ】ぽかん口を放置するとどうなる?

こんにちは!豊中市の歯医者、豊中少路ANT歯科・矯正歯科理事長の寺嶋悟です。

今回は「ぽかん口を放置するとどうなる?」というテーマについてお話しします。

テレビを見ているときや遊びに集中しているとき、お子さまの唇が開いたままになっていませんか。特に話したり食べたりしているわけではないのに、無意識に口が開いている状態は、一般的に「ぽかん口」と呼ばれています。

幼い子どもでは一時的に口が開くこともあるため、口が開いている場面を一度見ただけで問題があるとは限りません。しかし、普段から唇を閉じにくそうにしている、寝ているときも口が開いている、口呼吸やいびきを伴っている場合は、お口の機能や呼吸に原因が隠れていることがあります。

ぽかん口は、単なる見た目の癖ではありません。その状態が長く続くと、歯並び、噛み合わせ、虫歯、歯ぐき、食べ方、発音、睡眠など、さまざまな部分に影響する可能性があります。

ぽかん口と口呼吸は同じ?

ぽかん口と口呼吸は、必ずしも同じ状態ではありません。口が開いていても鼻で呼吸できているお子さまもいれば、鼻づまりなどが原因で口から呼吸しているお子さまもいます。

ぽかん口が起こる原因には、鼻炎やアレルギーによる鼻づまり、扁桃やアデノイドの問題、唇を閉じる力の弱さ、舌の位置、出っ歯や前歯が噛み合わない状態、姿勢などが考えられます。一つの原因だけではなく、複数の要素が重なっていることも少なくありません。

そのため、「口を閉じなさい」と注意するだけでは改善しない場合があります。鼻で呼吸しにくいお子さまに口を閉じるよう求めても、苦しくなってしまいます。まずは、なぜ口が開いているのかを確認することが大切です。

歯並びや顎の成長に影響することがある

歯は、舌が内側から押す力と、唇や頬が外側から支える力のバランスが取れた場所に並びます。

通常、何もしていないときは、舌が上顎に軽く触れ、唇は自然に閉じています。ところが、ぽかん口が続くと舌が低い位置に下がり、唇が前歯を支える力も弱くなりやすくなります。

この状態が成長期に長期間続くと、上の歯列が狭くなったり、前歯が前方へ傾いたり、永久歯が並ぶスペースが不足したりする可能性があります。また、上下の歯列の幅が合わなくなることで、奥歯の噛み合わせが左右どちらかで反対になることもあります。

口呼吸をする子どもでは、不正咬合や顎顔面の成長パターンとの関連が報告されています。ただし、ぽかん口があれば必ず歯並びが悪くなるわけではなく、遺伝、顎と歯の大きさ、舌の癖、生活習慣なども関係します。[1]

お口が乾きやすくなる

口が開いている時間が長いと、お口の中を空気が通り、唾液が乾きやすくなります。

唾液には、食べかすを洗い流す、酸性に傾いたお口の環境を中和する、歯の表面を修復するなどの役割があります。お口が乾燥すると、こうした働きが十分に発揮されにくくなります。

その結果、前歯の表面に汚れが残りやすくなったり、歯ぐきが赤く腫れたり、口臭が気になったりすることがあります。口呼吸をする子どもの虫歯や歯肉の状態については研究によって結果に差がありますが、乾燥や磨き残しが加わる場合には注意が必要です。[2]

毎日歯を磨いているのに前歯の歯ぐきだけが赤い場合や、朝起きたときに口が乾いている場合は、就寝中に口が開いていないかも確認してみましょう。

食べ方や飲み込み方に影響することも

食べ物を噛んだり飲み込んだりするときには、唇、舌、頬、顎が協力して動きます。唇を閉じる力が弱いと、食べ物を口の中に保ちにくくなり、食べこぼしやクチャクチャという音につながることがあります。

飲み込むときに舌が前へ出たり、唇や顎先へ強く力を入れたりする癖が見られることもあります。こうした飲み込み方が続くと、前歯を舌で押す力が繰り返し加わり、前歯が噛み合わない「開咬」や出っ歯に関係する場合があります。

日本小児歯科学会では、口をぽかんと開けて口呼吸をしていることや、いびきをかくことを、子どもの口腔機能を確認する項目として挙げています。[3]

発音が不明瞭になる場合がある

唇を閉じて発音するマ行、パ行、バ行などでは、唇の動きが重要です。また、サ行やタ行などは舌の位置が発音に影響します。

ぽかん口とともに舌の位置が低くなっていたり、舌が前へ出る癖があったりすると、空気が漏れて言葉が聞き取りにくくなることがあります。

ただし、子どもの発音は成長とともに変化するため、発音だけを聞いて原因を決めることはできません。舌や唇の動き、歯並び、聞こえ、言葉の発達などを総合的に見る必要があります。

いびきや睡眠の状態も確認しましょう

寝ているときに口が開いているだけでなく、大きないびきをかく、何度も寝返りを打つ、眠りが浅い、呼吸が止まったように見える場合は注意が必要です。

朝なかなか起きられない、日中に眠そうにしている、集中しにくいといった様子がある場合も、睡眠中の呼吸が関係している可能性があります。

歯科医院ではお口や顎の状態を確認できますが、鼻や喉に原因が疑われる場合は、耳鼻咽喉科や小児科との連携が必要です。小児歯科の診療指針でも、いびきや口呼吸などを確認し、必要に応じて適切な医療機関へつなぐことが重視されています。[4]

家庭で無理に口を閉じさせてもよい?

お子さまの口が開いていると、何度も「口を閉じて」と言いたくなるかもしれません。しかし、本人は無意識に口を開けていることが多く、注意だけで改善するものではありません。

頻繁に叱ると、お子さまが口元にコンプレックスを持ったり、鼻呼吸が難しいのに無理をして苦しくなったりする可能性があります。

まずは、日中だけか寝ているときも開いているのか、鼻づまりがあるか、いびきをかくか、食事中に口が開くかなどを観察しましょう。動画や写真を撮っておくと、受診時の参考になることもあります。

唇や舌のトレーニングが役立つ場合もありますが、原因や年齢に合わない練習を自己流で続けても十分な効果が得られないことがあります。鼻の通り、歯並び、舌の位置、唇を閉じる力などを確認したうえで、必要な練習を選ぶことが大切です。

早めに相談したいサイン

普段から口が開いている、寝ているときも口呼吸をしている、いびきをかく、唇を閉じると顎先に梅干しのようなしわができる、前歯が出ている、前歯が噛み合わない、食べこぼしが多い、発音が気になるといった様子があれば、一度歯科医院で確認しておくと安心です。

ぽかん口を見つけたからといって、必ず矯正治療が必要になるわけではありません。口腔機能を整える治療と、歯を動かす矯正治療は目的が異なります。まず原因を確認し、お口の機能を育てる取り組みを行い、その経過を見てから矯正治療の必要性を判断する場合もあります。

豊中少路ANT歯科・矯正歯科では、歯並びだけを見るのではなく、唇を閉じる力、舌の位置、呼吸、飲み込み方、食べ方、姿勢なども含めて、お子さまのお口の成長を確認しています。

ぽかん口は、ただ口が開いているだけの癖に見えるかもしれません。しかし、その背景には鼻呼吸の問題や、お口の機能の未発達、歯並びや噛み合わせの問題が隠れていることがあります。

「そのうち自然に閉じるだろう」と長期間放置するのではなく、気づいた時点で原因を確認することが大切です。お子さまの口元や呼吸、食べ方で気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

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